光触媒の関連用語と豆知識

触媒

ある特定の化学変化の反応速度を,増大(加速)させることのできる物質で、それ自体はその過程で変化しないもの。  

光触媒

光のエネルギーによって働く触媒のこと。光があたると、触媒作用(化学反応を促進する作用)を発揮し、酸化チタンが使用されているケースが多い。 

ちなみに、光触媒は、すべての有機化合物(臭いの原因物質や細菌・ウイルス)を、二酸化炭素(CO2)と水(H2O)に分解してしまう。

酸化チタン(二酸化チタン) 

多くの光触媒の材料として使用されている。

白色の顔料として生活の身近なところで昔から多く使用されており、例えば、歯磨き粉、化粧品、塗料などで広く使われている。

食品添加物としても認められている安全な材料なので、ホワイトチョコレートやホワイトチーズの白色顔料としても使われている。

有機化合物・無機化合物

有機化合物(有機物)とは、炭素原子に水素などの他の原子が結合することで形成される化合物であり、生物を構成する主要な要素。臭いの原因物質、細菌、ウイルスなども有機化合物。
上記以外の化合物を無機化合物(無機物)という。炭素以外の元素の化合物,および一酸化炭素・二酸化炭素・炭酸塩などの簡単な炭素化合物の総称。

★光合成

植物に太陽光が当たることによって、二酸化炭素と水が化学反応して、デンプンと酸素ができる作用。

★葉緑素(クロロフィル)

光合成生物がもつ同化色素の一種で、光合成の際に触媒の働きをするもの。

★食品添加物

食品製造の際に添加する物質のこと。例えば、甘味料、着色料、香料、保存料、酸化防止剤、栄養強化剤などとしての用途がある。

酸化チタンは、食品添加物としても認可されている。

光は電磁波で、電場と磁場を持ち、波としての性質と粒子(光子)としての性質をどちらも持つ。

電磁波は波であるため、その波長の長い順に、ラジオ波-赤外線-可視光線-紫外線-X線-γ線というように区分される。

太陽からの光というのは様々な波長の電磁波で構成されているが、可視光線(波長400nm~800nmの範囲)以外の波長の光は一般に人間の目では認識できない。

 

★可視光応答型光触媒

光触媒は、従来は紫外線にしか反応しなかったが、最近では可視光線にも反応する光触媒が開発され、順次実用化している。

★臭いの原因物質

多数あるが、主なものは以下のとおり。

アンモニア(し尿のような臭い)、メチルメルカプタン(腐った玉ねぎのような臭い)、硫化水素(腐った卵のような臭い)、硫化メチル(腐ったキャベツのような臭い)、二硫化メチル(腐ったキャベツのような臭い)、トルメチルアミン(腐った魚のような臭い)、アセトアルデヒド(刺激的な青ぐさい臭い)、酢酸エチル(刺激的なシンナーのような臭い)、トルエン(ガソリンのような臭い)、イソ吉草酸(むれた靴下のような臭い)、等々。

光触媒に関する豆知識

★『有機物と無機物の違い』

  

光触媒の作用の一つに、光と化学反応を起こして「有機物(有機化合物)」を酸化分解する働きがあります。、

では、この有機物は具体的にどんな物質として理解すればいいのでしょうか。


もともとは、動物や植物などの生体に関係した化合物を指していました。

例えば、炭水化物、タンパク質、糖類、脂質など体内でつくられる物質です。

ただ、必ずしも生体に関係する必要はなく、合成医薬品や洗剤、殺虫剤、合成樹脂(プラスチックのことです)、合成繊維なども有機物です。


それでは、「無機物(無機化合物)」との違いは何でしょうか。


これはズバリ、炭素を含む物質かどうかということです。

炭素を含む物質を「有機物」、炭素を含まない物質はすべて「無機物」です。

ただし、二酸化炭素、炭素、一酸化炭素などのような簡単な炭素化合物は、有機物ではなく無機物に分類されています。

無機物は、水・空気・鉱物類や、これらを原料として作った物質の総称とも言えます。


ちなみに、有機物と無機物を見分けるのに、加熱して反応を見るという方法があります。

ある物質を加熱した時に、炎を出して燃えて二酸化炭素ができたら有機物です。

一方、燃やしても二酸化炭素が発生しない場合は、ほぼ無機物と言えます。

 

 

★『黄砂アレルギーと光触媒』

 

中国内陸部にある砂漠の砂が偏西風に乗って飛んでくる、いわゆる「黄砂」は、健康への影響が懸念され、最近は天気予報でも注意喚起するようになりました。

飛来する量は通常3月から5月にかけて増えるのですが、今年は秋になっても多く飛来する日が報告されています。


黄砂は大変小さな粒子で、直径がスギ花粉で20~40ミクロンですが、黄砂は4ミクロンくらいで、髪の毛の20分の1ほどです。

体内に入ることから生じる症状は「黄砂アレルギー」と呼ばれ、花粉症などのアレルギー性疾患と同じように、目のかゆみや結膜炎、鼻水やくしゃみなどの症状を引き起こし、喘息を誘発させる場合もあります。


さらに、黄砂に付着するカビ・ダニ・化学物質などもアレルギー性疾患の原因になります。

花粉アレルギーと似た症状なので区別が難しく、両方を併発する場合もあります。


人の肌は黄砂のような微細な物質でも体内に侵入しないようになっていますが、粘膜は肌のように異物の侵入をガードすることができません。

目や鼻、口の粘膜から黄砂が入り込んでくるのを極力防ぐ必要があります。


黄砂が多い日は戸外にいる時間を控えるようにし、きめ細かい生地のマスクを着用して少しでも黄砂の吸入を防ぎ、さらに黄砂に付着する化学物質などは光触媒を活用して酸化分解してしまうことも有効です。

例えば、光触媒を加工したマスクを着けたり、衣服を光触媒でコーティングしておくことなども有効でしょう。

もちろん、うがいや手洗いをするなどの基本的な対策は言うまでもありません。

 

 

★『光触媒の環境への貢献』

 

光触媒は、身のまわりでの消臭や抗菌作用などで知られていますが、その用途はさまざまな分野へ拡がってきています。

光触媒を応用した製品やシステムなどが次々に開発されている中、環境分野での応用事例を幾つかご紹介させていただきます。

 

1)大気の浄化

例えば、道路の防音壁に光触媒をコーティングして有害な窒素酸化物を分解除去します。

また、舗装道路に光触媒を含む塗装を施すことによって排気ガス中の窒素酸化物を分解する試みもあります。

 

2)水質の浄化

例えば、フィルターなどの表面に光触媒を塗布して排水や汚染地下水の中の有機物を分解して水質を浄化します。

 

3)土壌汚染の修復

焼却施設や化学施設などで汚染した土壌を光触媒を含むシートなどで覆い、土壌から発生する揮発性有機化合物を分解して無害化します。

 

4)ヒートアイランド現象の緩和

光触媒の親水性という性質を利用して建物の外皮に薄い水の膜を形成させ、水が蒸発する際の気化熱で建物を冷却するシステムが開発されています。

 

5)その他

光触媒の親水性は水滴をつくらないので、自動車のサイドミラーや道路のカーブミラーなどの鏡面の曇りを防ぎます。

高い衛生基準が求められる食品関連施設などでは、雑菌の増殖抑制にも活用されます。

 

 

★『大気浄化と光触媒』



光触媒は、私たちの生活環境の中で消臭や抗菌、有害化学物質の除去など、さまざまな効用をもたらしています。


そうした中、光のエネルギーを活用して光触媒が発揮する強い酸化能力を利用し、大気中を浮遊する有害な汚染物質を分解して大気汚染を抑制しようという試みもなされています。

例えば、交通量の多い幹線道路などの防音壁に光触媒をコーティングし、有害な窒素酸化物を光触媒で分解して除去するといった研究が進められています。


また、舗装道路面に酸化チタンを含む塗装を施すことにより、自動車の排気ガスに含まれる窒素酸化物を分解する方法も試みられています。

施工例としては、東京の環状7号線の路上の一部で光触媒舗装が試されています。


廃ガスの処理の分野では、ガスを排出する煙突内に光触媒を含む充填剤を施し、そこを通過していく廃ガスに含まれるダイオキシン等の有害物質を分解する研究が行われています。

このケースでは、光のあたらない煙突内であることから、その代わりの光源として紫外線ランプを使用します。


さまざまな有害化学物質を生み出している現代社会で生きていかなければならない私たち人間(動植物)にとって、環境問題とくに大気汚染の問題は共通の重要課題だと思います。

 

 

★『室内汚染の化学物質と光触媒』

 

室内の空気中にはさまざまな化学物質が存在し、シックハウス(シックビル)症候群や化学物質過敏症などの原因ともなっています。

こうした室内を汚染する化学物質には概ね以下のようなものがあります。


1.ホルムアルデヒド

刺激臭があり、発生源は建材、家具、家庭用品、喫煙などが考えられます。

目、鼻、喉などに対する刺激作用があり、具体的には、涙、くしゃみ、咳、吐き気、呼吸困難等の症状として現れます。


2.揮発性有機化合物(VOC)

常温で蒸発(気化)する有機化合物の総称です。

発生源は、建材や施工時の接着剤、カーテンやカーペットなどの家具調度品、開放型の暖房器具、消臭・芳香剤、喫煙などがあげられます。


3.防蟻剤、殺虫剤、防ダニ剤

防蟻剤とは、シロアリの害から守るために土壌や木部に施す薬剤です。

畳やカーペット等に施される殺虫剤や防ダニ剤は、ごく微量ながらも空気中に放散し、スプレー式や加熱式のものを使用すると空気中の濃度が急増します。

防蟻剤、殺虫剤、防ダニ剤のほとんどは農薬として用いられるもので、毒性や発がん性にも注意すべき物質です。


4.内分泌かく乱化学物質

身体の外から侵入して生体の内分泌作用をかく乱する物質で、環境ホルモンという言葉が使われることもあります。

 

以上のような化学物質は、すべて有機(化合)物です。

光触媒は光のエネルギーを活用してあらゆる有機物を化学分解しますので、こうした面からも室内環境の浄化に貢献します。


 

★『光触媒が分解する有機物とは?』

 

光触媒は、光と反応して「有機物を分解する」わけですが、そもそも有機物とはどんな物質なのでしょうか。
私たちは、日常生活の中でたくさんの「物質」に接しながら暮らしています。
当然のことながら、益をもたらす物質もあれば、害を及ぼす物質もあります。
これらの物質は、加熱したときに燃えたり炭になったりする物質(有機物または有機化合物)と、燃えない物質(無機物または無機化合物)とに分類されます。
有機物は、一般に炭素(C)を含む化合物のことで、燃えると二酸化炭素を発生し、加熱すると黒く焦げて炭になります。
例えば、砂糖、プラスチック、エタノール、木、紙などはその一例です。
また、すべての生物は有機物でできています。
光触媒は有機物を分解しますが、生物をすべて分解するものではありません。
そうであったら、私たち人間も分解されてしまうことになります。
あくまでも、光のエネルギーによる化学反応によって、分子レベルで分解するというものです。
有機物である「臭いの原因物質」や「細菌・ウイルス」、「化学物質やアレルギー物質」などを分解して、水(H2O)と二酸化炭素(CO2)に変えてしまいます。
その結果、消臭、殺菌、抗化学物質対策などの効果が生じることになります。
なお、無機物は、有機物以外のすべての物質のことです。
例えば、ガラス、鉄、アルミニウム、水、食塩、二酸化炭素、水素、酸素などはその一例です。
これら無機物は、光触媒でも分解することはできません。
 

 

★『室内で飼うペットと光触媒』

 

犬や猫をはじめペットを室内で飼う方も多いと思いますが、飼い主が「ペット感染症」に罹るケースも増えているようです。

正式には「人獣共通感染症」(zoonosis)と言われ、ヒトと動物が共に罹る感染症です。

飼い主とペットが同じ空間(室内)で暮らしていると、より親密な接し方が増えるのは当然と言えます。

また、ペット独特の臭いは、体の表面で雑菌が繁殖することにより発生しています。

多くの毛で覆われているため、温度・湿度が体表面に籠りがちになり、雑菌が繁殖しやすくなります。

衛生面で十分に気をつける必要があります。

臭いはそこに住んでいる人には気にならなくても、外から入って来た人には結構気になるもので、とくに排泄物から発生するアンモニアの臭いなどは鼻にツーンと感じてしまいます。

こうした臭いや細菌・ウイルスの対策として、ペットが触れるものやトイレの周辺に光触媒を施すことは有効な手段になります。

たとえば、光触媒加工を施したもの(光触媒シート等)を置いておくことで、手軽に周辺の臭い対策および細菌・ウイルス対策ができます。

また、ペットの寝床をはじめ、ペット用のラグやペットの衣服にスプレータイプの光触媒でコーティング加工することも有効です。

充分にコーティングした光触媒は洗濯しても落ちにくいので、ラグや衣服などの汚れが気になったら洗濯も出来ますし、洗濯を繰り返すうちに効果が落ちてきたら、その段階でまた光触媒をコーティングすれば大丈夫です。 

光が当たりづらい場所で使用している場合は、ときどき光に当てるとより効果が高まります。

光触媒は動物にとっても無害ですので、状況にかかわらず安心して使用できます。

  

 

★『気になるニオイの正体と光触媒』

 

私たちの皮膚には「皮脂腺」と「汗腺」があり、皮脂は潤いで皮膚を保護し、汗はおもに体温調節を担っていることは皆様ご承知のとおりです。
皮脂や汗は、分泌時はほぼ無臭ですが、時間の経過とともに皮膚常在菌(皮膚に付着している雑菌)の成分が酸化されて、不快なニオイのするガスを発するようになります。
そうした中でもとくに、脇、足の裏、頭皮などのニオイが気になるのは以下のような特徴があるからです。
脇は、タンパク質や脂質、脂肪酸などを多く含んだ「アポクリン腺」という汗腺が多いためです。
足の裏は、塩分やアミノ酸、尿酸を含んだ「エクリン腺」という汗腺が多いためで、背中や胸の5~10倍あります。
頭皮は、皮脂腺が発達していて、角質細胞がはがれ落ちるフケが発生したり、毛髪がニオイを吸着してしまうことなどが原因です。
また加齢臭は、加齢にともなって分泌する皮脂の成分が変わったり、過酸化脂質が増えることによって発生しやすくなります。
その他に、病気が原因で特有の体臭が発生することもあります。
例えば、脂漏性皮膚炎の場合には脂くさいニオイがしますし、糖尿病の場合は甘酸っぱいニオイがしがちです。
こうした通常と異なるようなニオイを感じた時には、医師に相談することが必要でしょう。
さて、身体から発するニオイの成分にはたくさんの種類があり、主なものには、イソ吉草酸(足の裏独特のニオイ)、3-メチル-2-ヘキセン酸(脇独特のニオイ)、ノネナール(加齢臭独特のニオイ)、ビニルケトン(ツンとした酸化臭)等があります。
ただこれらはすべて有機物ですので、光触媒が分子レベルで分解することができます。
予防も含めた対策の一つとして、状況に合わせた光触媒の活用が可能です。

 

 

★『酸化チタン(光触媒)と食品添加物』

 

厚生労働省によりますと、食品添加物というものは、保存料、甘味料、着色料、香料など、食品の製造過程または食品の加工・保存の目的で使用されるものです。

食品添加物の安全性について食品安全委員会による評価を受け、人の健康を損なうおそれのない場合に限って、成分の規格や、使用の基準を定めたうえで使用を認めています。

また、使用が認められた食品添加物についても、国民一人当たりの摂取量を調査するなど、安全の確保に努めています。(以上、厚生労働省のホームページから)

したがって食品添加物は、安全性を担保しながら、食品に独特の食感を持たせたり、着色したり、嗜好によって甘味・酸味・苦味などをつけたり、等々一定の目的をもって使われるものと言えます。

光触媒の原料として使用されている酸化チタン(二酸化チタン)は、食品を「白く着色」する添加物として活用され、ホワイトチーズやホワイトチョコレートなどの白色は酸化チタンによるものです。

なお、食品以外でも、酸化チタンは医薬品、化粧品、練り歯磨きなどに使われています。

私たちの生活のいろいろな場面で使われていることがお分かりになると思います。

 

 

★『活性炭と光触媒』

 

消臭や除菌などのために「活性炭」を利用したことのある方もいらっしゃると思います。

活性炭は、石炭やヤシ殻などの炭素物質から作られ、無数の微細孔(微細な穴 )を持つ炭素です。

多数の微細孔の壁は大きな表面積を形成し、その表面に臭いや有毒ガスなど種々な有機物質を吸着してくれます。

こうした作用から、脱臭や除菌、水質浄化などに使用されています。

また、活性炭そのものが何かを放出したり、変化したりすることがありませんので、人や環境にとって無害で、食品などの周辺でも安心して使用できます。

このような吸着作用による活性炭の消臭や抗菌などの効能は、光触媒とよく似ています。

ただし、活性炭は、吸着した有機物で満杯(飽和状態)になってしまうと、その機能を果たせなくなってしまいます。

一方、光触媒は、吸着した有機物を光が当たった時に酸化分解してしまいますので、飽和状態になることがありません。

したがって、時々光が当たりさえすれば、半永久的に光触媒の作用が持続できることになります。

そして、光触媒の無害性については言うまでもありません。

★『光触媒の抗菌効果』

 

光触媒は自然エネルギーである光を利用する技術ですので、どのような状況でも安心して使用できることが大きな特長の一つです。

とくに抗菌j効果においては、光触媒反応による活性酸素の強力な酸化力で、細菌(大腸菌・結核菌・サルモネラ菌・ブドウ球菌など)やウイルス(インフルエンザ・ノロウイルス・エボラウイル・エイズウイルスなど)を分解し、無害化してくれます。

その際に、原因物質が未解明のもの(例えば「SARS」など)にも光触媒は反応します。

また、投与する薬が効きにくくなった細菌、いわゆる耐性菌に対しても同様に反応できます。

これらのことは、光触媒が有機化合物であればどんなものでも分解する作用をもっていることに他なりません。

このように、医薬品とは異なる観点から抗菌・除菌の役目を果たしてくれるのも、光触媒のユニークな点ではないでしょうか。

加えて、光触媒そのものの安全性(材料の酸化チタンの無害性)と、光触媒自体が劣化しないために半永久的に反応作用が持続することも、生活環境で使いやすい要因だと思います。

 

 

★『体臭と光触媒』

 

体臭あるいは加齢臭については、結構話題になることも多いと思います。

誰にでも何かしら体臭はあるものですから、あまり気にし過ぎるのも良くないですが、自分では気づきにくいのも事実です。

・体臭の第一の原因は、やはり汗や皮脂です。
これらは人間にとってなくてはならない機能ですが、それら自体が臭いを発するのではなく、雑菌が混じることで臭いを発します。

・第二の原因は、食べ物です。
体内で分解されにくい食べ物、例えばニンニクなどが、口臭のみならず、汗腺からも臭いを発します。

・第三の原因は、健康状態です。

なんらかの体調不良によって体臭が強くなる場合があります。

それぞれの原因に合った予防策や対処法はいろいろありますが、一長一短もあると思います。
また、気にし過ぎてストレスを高めてしまうと、かえって臭いが発生することもあります。

では、こうした体臭対策に光触媒を活用する場合はと言いますと、身体が接する衣料品(下着や靴下など)、寝具、スリッパ、ブランケット、等々に光触媒をスプレーでコーティング しておくことが最適です。

また、光触媒をコーティングした繊維製品を洗濯しても、少なくとも10~20回程度では光触媒は落ちませんし、もし効果が薄まってきたと感じたらそのときにまたコーティングすれば大丈夫です。

直に身体に触れても無害である光触媒は、こうした状況でも安心して利用できます。


 

★『花粉アレルギーと光触媒』

 

花粉症は、花粉という異物(アレルゲン)が体内に侵入して、くしゃみ・鼻水などのアレルギー症状を起こす病気(?)で、体質による個人差もありますし、今は平気な人でもこの先、発症しないという保証はありません。

スギ、ブタクサ、イネ科植物による花粉症が世界3大花粉症といわれ、日本ではスギによる花粉症が多いですが、アメリカではブタクサによる花粉症が、ヨーロッパではイネ科の植物による花粉症が多くみられるようです。
最近では、さまざまな薬や医療手段がありますが、投薬や治療も効き目に個人差があったり、副作用で身体がだるくなったりと、個々の対策はなかなか難しいものがあります。
光触媒はあらゆる有機化合物を分解する作用があることから、花粉のアレルゲン(アレルギーを引き起こす物質)も同様に分解することができます。

そのうえ、薬剤を使わず、光のエネルギーと反応して分子レベルで分解してしまいますので、小さなお子さんやお年寄り、身体の弱い方でも安心して長期にわたって利用できるのが利点です。
光触媒を花粉症対策として活用する具体策としては、マスクとして使用することはもちろんですが、枕などの寝具や衣服に光触媒をコーティングしておくことも有効で、結果としてアレルゲンを減少させることが可能となります。

 

 

★『マスクと光触媒』 

 

マスクは用途により、「医療用マスク」、「産業用マスク」、「家庭用マスク」の3種類に大きく分けられますが、私たちが通常利用しているのは、カゼや花粉対策などとして薬局やスーパーなどで売られている「家庭用マスク」です。

素材や形の種類も多く、それぞれに特長がありますので、自分に合ったものを選べば良いと思います。

ただし、マスクの使用にあたっては、老婆心ながら以下の点には注意していただきたいと思います。

1.ウイルスや細菌の進入を少しでも少なくするために、鼻や口の周りを充分に覆えるようなサイズのマスクを選ぶ。

2.ガーゼなどの布製のものは、一度使用したら必ず洗濯する。

3.不織布製のものは、一度使用したらウイルスや細菌が他に移らないように、ビニール袋に入れて廃棄する。

4.人ごみの中で咳をするときは、マスクをしていてもウイルスや細菌がかなり通過しますので、手や袖で覆うようにする。

また、通常のマスク以外に、最近では抗菌・抗ウイルスなどの機能をもつマスクも散見されます。こうしたものも、その用途に合わせてお使いになると有効だと思います。

そうした中、光触媒を加工したマスクも、抗菌・抗ウイルスの対策として活躍しています。

不織布の両面に酸化チタン光触媒をコーティングしてありますので、内側と外側の両サイドからウイルスや細菌を吸着し、分解します。

そして、ウイルスや細菌が繁殖しないので、不織布そのものが傷んだり汚れたりするまでは何回でも繰り返し使用できます。

また、お気に入りのマスクをお持ちの方は、そのマスクにご自分で光触媒をコーティングして使用することもできます。

その際は、繊維専用の光触媒スプレーが便利です。

  

 

★『食品の腐敗と光触媒』

 

ご承知の方も多いと思いますが、野菜や果物はエチレンという植物ホルモンの作用で生長し、収穫した後もエチレンガスを放出して老化していきます。

この老化現象が、腐敗というものです。

そして、腐敗した野菜や果物がさらにエチレンガスを発生させますので、被害が拡がってしまうことにもなります。

特にリンゴは大量のエチレンガスを放出します。

子どものころ、祖母が「リンゴとほかの野菜や果物は一緒に保管しない方がよい。」と言ったのを思い出しますが、まさに理にかなっていたというわけです。

先人たちの生活の知恵は大いに尊重すべきですね。

さて、エチレンガスも有機化合物ですので、光触媒によって水と二酸化炭素に分解されてしまいます。

もちろん光が必要ですので、光触媒をコーティングしたもの(繊維製品など)を、ときどき光にあてることによって継続して活用できます。

また、エチレンガス以外にも細菌や臭い物質も当然ながら除去されることになります。

 

 

★『シックハウス症候群と光触媒』

 

「シックハウス症候群」に悩んでいる方は結構いらっしゃるようです。

ご承知のように、これは住居内で発生する種々の化学物質による空気汚染が原因となる健康障害のことです。
住宅に使用される建材に含まれる化学物質により、住む人の健康に悪影響を与えるということで認知が拡がりました。
ただ、「シックハウス症候群」は原因も症状も多様であり、未解明な部分も多いようです。
症状は個人差が大きく、本人しか自覚できない場合も多く、自律神経失調症や更年期障害、風邪、精神疾患などと間違われてしまうこともあります。
建材以外にも、カーテン、カーペット、家具などから揮発する化学物質や、日常生活用品(化粧品、煙草、防虫剤、暖房器具など)から発生する化学物質も原因となります。
室内の空気汚染だけではなく、食品や生活用品、大気汚染や水質汚染など様々なものが健康に悪影響を与えています。
したがって、住環境だけではなく、生活環境という大きな視点で捉えながら、化学物質の低減化に意識を向けていく必要があるように思います。
そうした中で、有機化合物であれば種類を問わず分解することのできる光触媒の作用は、化学物質の低減化の一助としてお役立ていただける優れものです。

 

★『ウイルス・細菌と光触媒』

 

私たちの周囲には様々な「ウイルス」と「細菌」が出現して、病気や感染症を引き起こしていきます。

「ウイルス」と「細菌」は似たようなものと思われがちですが、これらはまったく別のものです。

その違いは、概ね、以下のように整理できます。

●「ウイルス」は細胞を持っていないので自力で増えることができず、他の生物(人や動物)の細胞に寄生(感染)して増殖します。

「細菌」は単細胞の生物ですので、自己増殖ができます。

したがって、たとえば抗生物質は「細菌」には効きますが、細胞を持たない「ウイルス」には効きません。

●大きさは、「ウイルス」の方がかなり小さく、「細菌」の大きさの数分の1から数十分の1です。

●「ウイルス」の病原体には、インフルエンザウイルス、ノロウイルス、エボラウイル、エイズウイルス、等々があります。

一方、「細菌」の病原体には、大腸菌、結核菌、サルモネラ菌、ブドウ球菌、等々があります。

●「ウイルス」の感染症には、インフルエンザかぜ症候群、風疹、水痘、肝炎、エイズ、感染性胃腸炎、等々があります。

一方、「細菌」の感染症には、 O-157、結核、破傷風、敗血症、外耳炎、中耳炎、等々があります。

以上のような「ウイルス」や「細菌」は、すべて有機化合物です。

したがいまして、光触媒はこれらの種類を問わずにすべて分子レベルで分解してしまいます。
また、どんな新種のものであっても、有機化合物であることに変わりはありませんので、対象を選ばずに分解することができます。

 

 

★『消臭剤の種類と光触媒』
 

消臭剤には多岐にわたる商品があり、それぞれ特長を持っていますが、整理すると概ね以下のように分類されます。
●一つは、ニオイ物質を吸着して閉じ込めてしまうもので、活性炭や竹炭などがその一例です。
●二つめは、気になるニオイを別のニオイでわからなくしてしまうもので、芳香剤や香水・コロンなどがその一例です。
●三つめは、ニオイを出す菌を生物学的に殺してしまうもので、バイオテクノロジーを用いた方法や殺菌剤などがその例です。
●四つめは、ニオイ物質を別の物質に変化させてしまうもので、主に分子レベルで変化させてしまいます。
以上のような相違点を理解されたうえで、状況に合わせて商品を選択したり、組み合わせて使用されたら良いと思います。
ちなみに、光触媒は四つめの方法に分類されます。
すなわち、空気中の有機化合物(ニオイや菌や化学物質)を分子レベルで分解し、CO2(二酸化炭素)とH2O(水)に変えてしまいます。
また、光触媒が光と反応する作用によってのみ消臭・抗菌・抗化学物質の役割を果たしますので、人や環境に無害という大きな利点もあります。

★『靴の消臭と光触媒』

 

1日中履いた靴の中では、湿気と雑菌によって、ニオイの主な原因物質といわれる「イソ吉草酸(きっそうさん)」が生成されてしまいます。
したがって、この「イソ吉草酸」を撃退できれば、ニオイや雑菌をかなり減少させることになります。
光触媒は、有機化合物(おもに生物に由来する炭素化合物)を分子レベルで酸化分解してしまう作用があります。
「イソ吉草酸」も有機化合物ですので、分子レベルでの分解が可能です。
使用例としては、一つは、光触媒シートを靴の中に入るサイズに切って、脱いだ後に入れておく方法、もう一つは、光触媒スプレーで靴の中敷に光触媒をコーティングする方法があります。
光触媒は光が当たらない間でも、4~5日から1週間程度は有機化合物の分解を持続します。
したがってそのような場合は、光触媒シートにしろ、スプレーした中敷にしろ、4~5日に1回、数時間程度、光に当てれば光触媒の作用が活性化します。
もちろん光の量が多いほど効果は増しますので、状況によっては光に当てる回数を増やすのも良いと思います。

 

★『衣類の汗対策と光触媒』

 

汗をかくことは体温調節のための大切な機能です。
しかし、ニオイや雑菌の繁殖が気になるのも事実です。
巷で様々な制汗剤や体臭関連の薬剤が見受けられるのを見ても、その需要の多さが伺えます。
そうした中、このような対策の一つとしても、光触媒が活用されます。
例えば、下着や衣服に光触媒をコーティング加工する方法です。
縫製工場での製作工程の中で布地に光触媒加工を施された繊維製品もあり、ご利用になった方もいらっしゃるのではないでしょうか。
もし光触媒を自分で衣類にコーティングできれば、必要な時、必要なところで利用できます。
ただし、気をつけないといけないのは、光触媒は光と反応して有機物を分解する作用ですので、そのまま布地にコーティングしますと、繊維自体を傷めてしまいます。
利用される場合は、必ず、繊維専用の光触媒を使ってください。
繊維や生地をガードするように開発された専用の光触媒は安心して使用できますし、一度スプレーすると、10~20回程度の洗濯をしても効果は落ちません。